雨天時の安全運転

今年も、梅雨入りの時期となりました。降雨は、視界を悪くし、路面を滑りやすくするなど運転に少なからず影響を与えるため、慎重な運転が求められます。

1.視界不良やスリップによる事故事例

首都高速道路株式会社の調査(右図)によると、首都高速における雨天時の事故件数は約5倍に増えています。
雨による視界不良、路面状況の悪化、雨音による車外の音情報の遮断など運転上の悪条件が重なり、事故が発生しやすくなります。特に視界不良とスリップによる事故が多いので、事故事例を通じて注意点を確認しましょう。

【事例1:視界不良による衝突事故】
運転者は雨天時に幹線道路を走行しており、降雨により前方が見えにくい状況にあった。横断歩道外を横断した歩行者の発見が遅れ、急ブレーキをかけたが、間に合わず衝突した。
 😯 !注意点
雨天時の運転では、フロントガラス等に付着する水滴により、前車や信号機、標識等が滲んで見えるなど、視認性が低下します。また車内外で気温差が大きいときや湿度が高いときは、フロントガラスが曇りやすくなります。

【事例2:水たまりでのスリップ事故】
運転者は直線道路を走行しており、路面には降雨による水たまりができていた。運転者は路面状況を見誤り、水たまり部分でスリップし、道路沿いの街路樹に衝突した。
 😯 !注意点
雨天時の運転では、路面とタイヤとの間の摩擦が小さくなるため、制動距離(ブレーキをかけて車が止まるまでの距離)が伸びます。またタイヤが滑りやすくなり、水たまりがあるとスリップすることがあります。

2.視界確保とスリップ防止のポイント

【視界確保】

①ワイパーを正しく使用する
雨量に応じて適切にワイパーを使用しましょう。
ワイパー作動時に、拭きむらやビビリ音などを発見した場合は、視 早めにワイパーを交換しましょう。

②フロントガラスを曇らせない
エアコンの除湿やデフロスターを活用しましょう。
車外の湿度が高い場合は、内気循環が有効です。
傘や服の水滴を払ってから車に乗り込むようにすることも車内の湿度対策として有効です。

※雨天時は、歩行者や自転車からの視界も悪くなるため、歩行者や自転車が自車の接近に気づかずに道路を横断するようなことがあります。よって、視界不良を踏まえた危険予測運転や自車の存在を周囲に気づいてもらえるようなヘッドライト等の点灯が有効です。

【スリップ防止】

①スピードを抑えて車間距離を長めに取る
路面状況の変化を意識した上で、スピードを抑えて十分な車間距離を取りましょう。
追突等の危険回避だけでなく、前車の水しぶきを浴びる可能性も少なくなります。
②「急」な運転操作はしない
急発進・急ハンドル・急ブレーキは厳禁です。
特に水たまりでの急ハンドルや急ブレーキは事故に繋がる可能性があり、大変危険です。

※雨の降り始めは、路面にホコリや泥などが浮き上がり、車が滑りやすい状況です。また濡れた道路標示やマンホールの蓋の上などは滑りやすくなっています。路面状況の変化を早めに察知し、状況に応じた走行をすることが重要です。

3.雨天時の安全運転に向けて

日頃から、ワイパーやタイヤの点検、フロントガラス等の清掃など雨天に備えておくことが大切です。
また雨天時は、視界の悪化や路面状況の変化を踏まえて、常に先の状況を予測しながら運転をすることが重要です。
事前準備と危険予測の心構えで、安全運転を継続しましょう。

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